[LaTeX-InDeX] (LaTeXとXHTML) (LaTeXに図を取り込む) (mimeTeX) (Linux) (良いプレゼンと悪いプレゼン) (情報処理の技法) (後藤資料)
お知らせ

LaTeX を pdf 化してプレゼンしよう

04/11/30追記: Vine Linux への移行なども視野に入れて、 もっとシンプルなスタイルに切り替えていく予定。当面は、

\documentclass[a4j,landscape]{slides}

で十分かと。 コンパイルしてhoge.dviを作ってから、dvipdfmx -l hoge で pdf を作成。 Linux の場合は、 \usepackage{hyperref} のところを、 \usepackage[dvipdfm]{hyperref} と書き変えれば、pdf でリンクが有効になる。 なお、 Xfigやgnuplotの図をLaTeXに取り込んだり始点・終点となる文字列を指定して矢印を引く場合はこちら参照。

\documentclass[a4j,landscape]{slides}を使った見本ファイル

eepicの図を取り込んだ例: purezene.pdf (SJISソース:purezen.tex
ページ切り替えの演出例mimizus.pdf (SJISソース:mimizus.tex
画像ファイルを含めたアーカイブファイルは下記。

Windows用SJIS版

purezen.tar.gz
mimizu.tar.gz

Linux用EUC版

purezene.tar.gz
mimizue.tar.gz


 以下は、 渡辺尚貴さんの 「TeXで研究発表用の原稿を作る方法」 のプレゼン用スタイルファイル presentation.cls を使って、 プロジェクタープレゼン用の pdf ファイルを作ってみていた時のやり方。 いずれ、 \documentclass[a4paper,landscape]{slides} 用に書き換えていきたい。

presentation.clsを使った見本ファイル: purezen.pdfpurezen.tex
pure2.pdfpure2.tex
ミミズファイル mimizu.pdfmimizu.tex
プレゼンの技術については、 「良いプレゼンと悪いプレゼン」 を参照のこと
LaTeXでプレゼン関係のリンク

目次

jlatex209 を使っている人への注意
全体の手順
シンプルに分かりやすく
でも、ページ切り替えとか背景色とかちょっとは演出したい
目次ページを作ってリンクを張る
Ngraph や gnuplot の図に色をつける
LaTeXでプレゼン関係のリンク


jlatex209 を使っている人への注意

jlatex209 を使っている人へ: platex で eepic 形式のファイル(Ngraph とか Qfig とか Gnuplot で作った TeX ファイル)を取り込む場合は、eepic 等のスタイルファイル群を \documentstyle の中ではなくて、

\documentclass[a4landscape]{presentation}
\usepackage{cut,epic,eepic,eepicsup,fontsize,here}
\usepackage[dvips]{graphicx,color}

みたいに \usepackage の中に書く。但し、\viiipt, \xpt などのフォントサイズの 絶対指定を使っているとこでエラーが出るので、 例えば、fontsize.styみたいなのを 作ってフォントサイズを \scriptsize \small などの相対指定に 定義し直し、\eightdg などを無効にしておくなどの対処が必要であろう (eepicsup の中とかに書いてもいいだろうけど)。 あと、コンパイルは、jlatex じゃなくて platex を使うこと。

目次

全体の手順

 「プレゼンテーションにはパワーポイントを使って下さい」 という 理不尽な要求をされる場合でも、 パワーポイントが入っているようなパソコンであれば(のくせに) アクロバットリーダーが入っていないなんてことはまずないから、 (というか、Windows パソコンですら、パワーポイントはプレインストール されている訳ではないけど、アクロバットリーダーは ブラウザーの付録みたいな感じでプレインストールされている 場合が多いので、 pdf ファイルなら、Windows は勿論、Linux Macでも 見れる) 「せめて、pdf ファイルをアクロバットリーダーの全画面表示で プレゼンしてもいいですか」 という要求なら認めてもらえる可能性がある。 そんなときには、まず、 例えば、 purezen.tex みたいにして、A4横向きサイズの OHPシートを作成する。 purezen.tex を コンパイルした purezen.dvi を dviout で表示 (して印刷したりプレゼンモード表示)するには、 Option の Setup Parameter の Resolution で「mag:4」を指定し、 Paper の Landscape にチェックを入れる (そうするとA4横向きになる)。 さて、一般に(A4縦向きの) hoge.dvi というdviファイルをpdfに変換するには、 dos窓(またはWinFDでhを押してコマンド入力にして) 「dvipdfm hoge」と打てばいいが、 purezen.dvi のような A4横向きで mag:4 用に書いている dviファイルを pdf に変換するには、 dos窓で purezen.dvi の置いてあるディレクトリー(フォルダー)に 移って、dvipdfm -m 2 -l purezen と打つか、 または WinFD で h を押して dvipdfm -m 2 -l purezen とコマンド入力する (画像の入力例は違う例なので注意)。 「-m 2」は(mag:4 用で書いたものを)2倍に拡大することを意味し、 「-l」は、横向き(landscape)にすることを意味している。 さて、 purezen.pdf というファイルができているから、それをアクロバットリーダーで開く。 「表示」の「全画面表示」を押すと プレゼンモードになる。

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シンプルに分かりやすく

 purezen.texpurezen.pdf)の例では、 色分けすることで情報の種類の区別が分かりやすくなるような場合を のぞき、「単に見た目を良くする」目的には極力 色を使わないように した。 色づけに限らず、様々な装飾を凝らせば、一見、見た目は おしゃれで良くなったように見えるかも知れないが、 過剰な装飾は、 情報の理解を妨げる方向に働くことも多々ある。 その意味で、色どころか図をも使わず、 単なるテキストのみをテキストビューアーの less で表示させても プレゼンができるという 「 less プレゼンのすすめ 」 は、なかなか啓蒙的である。 最近ありがちな、アニメなどを駆使して派手な装飾をちりばめたプレゼン (勿論、実験結果を見せる場合など、 そうした演出こそが効果的な場合もあるんだけど) なんかより、はるかにシンプルで分かりやすい (しかも、これをほんとに Linux の ターミナル画面とかで、 less で実演したら、アニメなんかの演出よりもよっぽど インパクトのある演出効果もあるんじゃないだろうか)。

 とはいえ、もう少し装飾に懲りたいという人の参考までに、 「TeXで研究発表用の原稿を作る方法」 の presentation.cls を (ちょっと修正したものを) 使うと、色を付けた箱の中に別の色で字を書くとか、 panhu.texpanhu.pdf) ぐらいのことはできる。 更に、やっぱりアニメとかを使いたいという人は、 ここに紹介されている prosper というツールを使うことで、 TeX を使った派手なプレゼンも可能ではある (prosper を使うと、かなりいろんな演出ができるようになるようだけど、 dvipdfm との相性はまだよくないようで、 dvi から ps を作ってから、pdf にしないといけないようだ) 。 ただ、私の個人的な好みとして、 「喋った順番に喋ったことが画面に現れる(スライドイン)」とか 「次の画面に切り替わる程度のことでフェードイン・フェードアウトや チラチラと画面が断片化してチェッカーワイプ」といった演出効果は、 多くの場合、邪魔くさいと感じる (そういう演出で映えるようなうまい発表ならいいんだけど、 耳で聞いていてもさっぱり分からない棒読みの発表の場合は、 一枚のスライドの内容すべてを最初から隠さずに見せておいてほしいし、 次の画面への切り替えも、 発表者の意図を少しでも早く予測して汲み取れるように、 さっさと切り替わってほしい)。

目次
でも、ページ切り替えとか背景色とかちょっとは演出したい

 というい訳で、アニメなどを多用した過剰な演出は、 あまり薦めないんだけど、それでも、 ページの切り替えとか、背景色とかを、もう少しおしゃれにしてみたいという 人には、 「 dvipdfm の日本語化 」 の( レシピ の Transition のやり方を試してみて下さい。

見本:ミミズファイル mimizu.pdfmimizu.tex

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目次ページを作ってリンクを張る

 pdf でプレゼンする場合は、 ページの最後に各ページの縮小画面を並べた目次ページを作っておいて、 各ページと目次ページとの間に相互リンクを張っておくのがよいだろう。 勿論、pdf には「しおり」の機能があるので、 ここに書いてある ような方法で「しおり」付きの pdf ファイルを作ることもできるが、 プレゼン本番では焦って、 全画面モードと操作画面モードの切り替えに戸惑ったりしがちだし (現に多くのパワーポイントのプレゼンでも、 この切り替えはぎこちないことが多い)、 全画面のままで操作できた方が見ている方も見やすいので、 ここでは、目次ページを作る方法を薦めておく。

 目次ページを作るには、まず、 すべてのページを作ってしまってから、 1ページずつ、dviout で表示させておいて (目次用なので小さめの表示でじゅうぶん)、 それを画面キャプチャーして1ページぶんずつ (jpg なり bmp なりで)保存していく。 PrintScreenボタンを使った画面キャプチャーの方法は、 「 TeX で書いた OHP をパワーポイントに取り込む 」のとこに書いたけど、 いちいちペイントなどに貼り付けないとファイル保存できないので、 Atropos みたいなキャプチャーソフトも有用かも知れない。 eps ファイルを貼り付けていない dvi ファイルであれば、 dviout の File → Save as Image → File でもファイル保存できる (TeX で書いた数式をワープロソフトなどに貼り付けて利用したい 場合は、この方法が便利)。 で、キャプチャーした画像を、 ViX などで必要なスライド画面の部分だけを切り出して、 (リサイズでサイズを縮小して)保存し直す。 で、あとは、それを eps 化して TeX に貼り付ける

 各ページの(冒頭の方にある適当な)見出しには、

\hypertarget{p3}{木材の材料定数}

のように (例えば、3ページ目だったら p3 とかと) リンクされるための目印を付けておいて、 目次ページの 「3ページの縮小画像」のキャプションのところから、

\begin{minipage}[h]{0.3\textwidth}
\begin{center}
  \epsfxsize=0.7\textwidth
  \epsfbox{p3.eps}
  \hyperlink{p3}{材料定数}
\end{minipage}

のように 3ページに飛べるようにリンクを張る。 また、目次ページの冒頭には、

\hypertarget{mokuzi}{目次} 

のようにリンクされるための目印をつけておいて、 各ページの末尾(右下の端とか)には、 (例えば 3ページの場合)

\begin{flushright}
{\tiny 
\hyperlink{mokuzi}{目次}、
\hyperlink{p2}{前} 、
\hyperlink{p4}{次} 
}
\end{flushright}

のように、目次ページと前ページ、次ページへそれぞれ飛べるように リンクを張っておく。 こうしておくと、 本番で舞い上がって 「進むボタン」「戻るボタン」がどれだか分からなくなった場合でも、 マウスのクリックだけで操作できる。 尚、「実験結果」のページを見せているときに、 「実験モデル」のページにちょっと戻って見せたいときなどは、 「実験結果」のページから「実験モデル」のページに飛べるように リンクを張ることもできる (その場合は、「実験モデル」のページからまた「実験結果」のページへ 戻るためのリンクも張っておく必要がある。 アクロバットリーダーの全画面表示には「戻る」ボタンがないので)。

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Ngraph や gnuplot の図に色をつける

 (我々が使っているバージョンの) Ngraph や gnuplot の eepic 形式の出力には色が付かないが、 せめて原点の位置を示したいとか、 ちょっとだけ色をつけたい場合は、 eepic 形式で出力した tex ファイルに、 文字の微修正の要領で、 色をつけたい場所を試行錯誤で探しながら、

\thicklines \path(132,243)(152,243)
\put(92,243){\makebox(0,0)[r]{-4}}
\color[named]{Red}
\thicklines \path(132,275)(152,275)
\put(92,275){\makebox(0,0)[r]{0}}
\normalcolor
\thicklines \path(132,299)(152,299)
\put(92,299){\makebox(0,0)[r]{3}}

みたいに、 \color[named]{Red}\normalcolor 挟んで色をつける(これは赤の場合)。 なお、 文字に色をつける際に便利な、 rgb.styの \red{ } とかを使うと、色をつけた部分の図形の位置がずれてしまうので、 図形には使わないように。

 Ngraph のカラー画像をディスプレーで見えているままを 使いたい場合は、 「目次ページを作ってリンクを張る」 の要領で画面キャプチャーするという手もあるが、 拡大するとギザギザになるし、縮小すると細い線が見えなくなったりするので あまり薦めない(文字などの修正もできないし)。

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LaTeXでプレゼン関係のリンク

LaTeXでプレゼンテーション・シリーズ:まとめ seminar class
TeXで研究発表用の原稿を作る方法
PowerPoint なしでプレゼンテーション
FoilTex + PPower4 による PDF でのプレゼン
LaTeX でプレゼンテーション
TeX で PDF を作りプレゼンする dvipdfm の日本語化 レシピ の「すこし高度な dvipdfm の使用例」は参考になる)
プレゼンテーション (Adobe社のIllustratorを使う方法)

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